【梅仕事2020】よりローカル、より今に。
さつき晴れと風に恵まれた初夏から、ついにしっとりしたこの季節、梅雨。
まさに今、梅に雨が降る。
今年はコロナ休み明けとともに始まった梅のシーズン。
週2勤務のこども園も4月後半からおやすみいただいており、梅仕事に集中できた。
コロナ明けなので、ぼちぼちと、と思っていたけれど、気づいたらフロー状態、いつものワーカホリック!!すんなり社会復帰を果たした子どもたちのおかげもあり、回転数が高かった。布団に入っても梅のことばかり考えていて、起きてはごそごそ仕事をし出すのも楽しい。コロナ休みを経た、仕事のよろこび。
友人限定メニューである梅狩りは去年より縮小し、少数制で。(2020/5/22~)
暑くなり始めたこの時季、涼しい木影で友人たちとしばらくぶりの再会、アフターコロナ的生存確認とそれぞれの今の世界観についておしゃべり。梅を通じて様々な関係性が生まれることを私は最高に楽しんでいる。なにより梅林が気持ちがいい!風が吹き抜け、緑は輝き、カエルが鳴く。この地の美しさが詰まっている。
5月は前半はエビに当たって体調を崩し(苦笑)、変な筋肉痛に疲労したが、後半は仕事ながらに健康を祝福した。身体を動かす仕事である。友人のみおちゃんの言葉を借りると「野良仕事はダンサブル」。撓る(しなる)梅の枝や高い脚立に身を委ね、手を、足を、めいいっぱいに縮めたり、伸ばしたり。鳥の声を聞いたり、真似たり。木登り大好きマンとしては、とにかく楽しい梅の収穫作業。梅の樹だけでなく、18年前に苗を植え、5年前まで育ててきた義父へも感謝とこの仕事の喜びを伝えた。
今年は全国的には梅が不作らしいが、うちは豊作だった。
毎年、家族経営の手には余るほどの恵み。これ以上忙しくしたくない。ご縁ある方々にシェアし、虫や菌にシェアし、残った梅を梅干しや梅エキスに仕込む。仕込みのが最大の手間である。すでに在庫はいっぱいあるから、これが課題。
お義父さんは落ちる梅が虫に食われちゃ勿体無いというが、仕込みの仕事はお母さん任せだからそう言える、とも思う。虫が先に食べることについては、私はなんとも思っていない。なるのが一粒でもあるまいし。奴らのほうが早いこともそりゃあある。それでも無傷の落ち梅もいくつもある。見つけた時のよろこびもひとしお。お義父さんは人一倍成果に喜びを感じる気質だし、戦中生まれだからな。
梅林にはカエルも蛇も出る。今年はでかいケムちゃんに去年より多くお目にかかった。
私は虫が好きだ。無農薬梅農家は天職だと思う。天からの仕事、地球とのダンス。
春に雨が少なかったからか、今年は病気も少なく、表面にソバカスが少なかった。
サロン業とも関連して、肌についてずーーーとずーーーと感じて考えているけれど、やはり美肌は嬉しい。菌との関係を現している。生理現象として、美しい、と感じる。惹かれる。生命力がわかりやすい。
今年はWebなどを通じた配送は青梅に限定した。シンプルでよい。青梅の硬さ、ダンボール旅も耐えられる若さがある。来年もこの方針で行きたいと思う。
熟梅は選別に手間がかかる!暑い季節に箱の中で熟成がすすむから選別も慎重になる必要がある。昨年、配達日をおしらせしたのにも関わらず、宅配ボックスでダメになってました、という方がいて、ショックだった。だから熟梅の配送はやめた。そして、熟梅は「地域限定品」となった。熟梅はあま〜〜〜い香りで、肌はしっとり、中身は柔い。繊細に扱いたいから。(小梅完熟写真は2020/5/30)
今年は浜北の自然栽培農園の寿梅園さん(2020/5/18)、旅する八百屋の青果ミコト屋さん(2020/6/6)とも新しいおつきあいがあり、良い経験になった。一度に10キロ以上、納品のタイミングがあらかじめ決まっている、というのは梅にとってはチャレンジング。私の経験では、登って、実際にとってみないとどのくらいあるのかわからない。ある程度の量の見積もりはしても、梅の生長のタイミングはコントロールできないし、万が一足りなくなるのは困るし。
雨も続くようだし、熟梅を楽しみにしてくれている友人にも梅を残しておきたいので、今年は落ち梅をキャッチするネットも張って、いい感じ。(2020/6/9)雨間に見に行ってはそこから拾い、雨に降られてそそくさと退散する。
タイミングの賜物である。梅と人と天気と。Afterコロナでなおさら、いのちといのちが会えるタイミングがあると感じる。オンラインではいつでも誰かの様子を知れても、身体をもって、このいいにお〜い♡を一緒に感じるのは、今ここなのだ。
熟梅は取りにこれる方限定で残りわずか。今週末(2020/6/14)で終わりかな。やはり暖冬の影響か、例年より1〜2週間早かったかな。