nature and tech.

地球平和の前に家庭平和の前に自分平和

祈りとトランス in Bali

耳をつんざく声で「ママあっち行ってー!!!!」と一晩で100回は言われた気がする。一度眠ったと思ったkinoが急に泣き叫び、餓鬼と化す。一階に行けと言ったり、二階に行けと言ったりして聞かない。嗚咽し、階段で吐く。kinoはたびたび手が付けられなくなるのだ。お茶やお菓子を提示しても本人が落ち着くタイミングまで、こちらの声は届かない。彼がこうなったらただ待つしかない。途方に暮れる。

 

バリ旅行の六日目、満月。夜中にも関わらずそう遠くない場所から祭りのビートが聞こえてくるウブド郊外。それに応えて犬や鶏が鳴く。満月って怖い。満月は”出ちゃう”んだ。いや、単純にkinoの昼寝が遅かっただけか。

 

今回のバリの旅は竹の建築技術を見ることを目的として来たが、今日になってどうやらこの旅の意味がスピリチュアリティの再確認だと感じた。苦手意識を持っていながら、確実に興味を持っている世界観。不思議な霊力のようなものを持っている人や話につい惹かれてしまう。夫も、姉も、私にとってはそういう素質があるように見え、刺激的な存在だ。オウム事件世代なのでスピリチュアリティの共有(集団意識)に警戒心が強い。何より自分はなにか特別なものを見たり感じたりしないただの人(だと思っている)なのでそれについて語る資格がないように思っていた。

 

その日はガイドのムーンさんと恵さん夫妻のナビゲーションで彼らのご自宅と村の中にある滝の沐浴場にお邪魔させてもらった。満月の仏滅ということで、バリの人々は男は白いシャツと帽子、女は黄色や白にそれぞれ布を腰に巻いた正装で、身を清めようと寺院や滝などの聖地に集まる。自撮り棒で記念撮影している若者もいざ自分の番がくると、ふっ、と違う顔になる。そこには確かに宗教心があり、厳かな祈りがある。ある世界へのチューニング。

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滝に打たれて大声をあげたり、身体を揺らし続けたり、嗚咽して泣く人が何人もいたのが興味深かった。ガイドの恵さんの8歳の娘さんが「あの人とあの人がトランスしてる」と教えてくれる。気持ち良さそうだった。滝に打たれて大声をあげられる場が彼らにはある。清める、綺麗にすることの重要性をムーンさんは教えてくれた。”出す”のは大事だよね。

 

お坊さんの祈りによって男が火に飛び込む(観光向けの)トランスダンスもみたが、バリ人はトランスを身近な現象として受け入れているようだった。「あ、あいつトランスしちゃったな」てなノリで。

 

夜中に叫び続け、こちらの声も聞こえないkinoはトランスしちゃってるんだと思った。もうそれは受け入れるしかない。こちらも祈るしかない。愛の中に休んで、と。ママあっち行けの意味を考え出したらキリがないのだけど、私はkinoに愛を送るしかない。愛の中に休んで。愛の中は大丈夫だよ。最近知った日本語のキルタンを歌う。

 

私も「思いを込める」ということ自体はしていると思う。だけど、それを祈りとしては理解していないし、宗教的な態度もない。バリ人は毎日お供えをして祈る。小さな頃から家族でそれをやる。kinoは相当なおじいちゃん子で、毎朝一緒に仏壇をお参りして般若心経を唱えているからか、バリ島のいたるとことで独りでに手を合わせていたのには私も驚いた。

 

宗教的な態度とは習慣と型によるところも大きい。それは鶏が先か卵が先かの議論なのだが、そもそも祈りが身体に染み付いている人にとっては、この論点さえ無い。ただ祈ることができるのだ。kinoは私と違って祈る者。私は祈ることが身体に染み付いていないとつくづく思う。

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おそらく私にとっての祈りは歌なのではないかと思い至った。歌というのも型のひとつである。歌手ともなればある程度型の決まった同じ歌を何度も何度も歌うのである。私の場合は、我が子に歌う子守唄が祈りの最たるもの。愛の中に休んで、ねんねんころりよ。安らかに眠って。そして私に自由を!!

 

愛と祈りについて書こうなんて、身の丈知らずで勇気がいる。愛も祈りも気の話である。最近夫となんでも気のせいということで話が終わるのだが、バリに来てトランスする人を見れば益々自分にとっての「世界」なんて全て気のせいだと思えてくる。kinoが泣くのも気のせい。お後がよろしいようで。

mindlogchihiro.hatenablog.com

【パパによる・パパのための】髪結いワークショップ

我が子を愛する父親募集、おっさんによるおっさんのための家族平和のワークショップを開催します。


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長い髪のおんなのこ。髪をといて、結ぶのは、じぶん?お母さん?お父さん?

髪をといたり結んだりするのも大事なスキンシップの一つ。
アメリカの心理学者、フィリス・K・デイビス博士によると、 特に子供が女の子の場合、父親が乳か幼児から愛情を持って触れていると、「愛情があって触れてくる男性」と、「そうではない男性」とを区別できるようになるそうです。

まずは髪をとくところから、ゴムでポニーテールに縛るところまで、プロがお父さんにお伝えします。反響次第で次回「編み込み編」なども考えています。

各自ブラシや櫛をお持ちください。
少数制で行いますので、事前にお申し込みください。


◇日時
2018年11月11日(土)13:30

◇場所
田原市文化会館 1階 アトリエ
「福祉のつどい」内でのイベントです。

◇対象
セミロング以上のお子さんと父親

◇持ち物
くしやブラシ、お好みのゴムやピンなど

◇講師
高崎俊喜 uecology Head Health Home 店主、美容師。耳かきとオイルマッサージで寝かしつける二児の父。
https://uecology.tumblr.com


◇主催:イドバ
親は楽に 子は楽しく いい日イドバ
イドバとは毎月11日に「多世代の親同士が集う気軽なおしゃべりと学びの場」です。
ザックばらんな茶飲話から、真面目なテーマの語り合いまで、思っていること、悩んでいること、言葉にしてみませんか。親は少し楽になり、子は楽しく過ごせる、そんないい日になりますように。さあ今日も家庭平和、その前に自分平和。
(イドバは田原市の平成30年度新規団体活動補助金を頂いて活動しています)

問い合わせ 
イドバ事務局 
加子 090-3564-7737 
高崎 080-5492-3340 (申込は下記FBメッセージ、Lineも可)

最新情報
Facebook https://www.facebook.com/idobatahara/ (イドバ 田原 で検索)
Line「@idoba」でともだち登録

◇託児
会場のアトリエとガラス張りに乳幼児の遊具がある託児室があります。託児をご希望の方は10/31までにお知らせください。保育士による託児を準備いたします。(無料)持ち物:オムツ、お尻拭き、ビニール袋、飲み物やおやつなど必要なもの 

#子育て #ワークショップ

“Genaration Z”に抱く希望

伊藤穰一の未来観
“Genaration Z”に抱く希望

 

media.dglab.com

 

『緑の星』のテレパシーか、「攻殻機動隊』の義体化か。
テクニックか、テクノロジーか。どちらもゴーストか。
(いや、どちらもフィクションなんだけど)
未来に人間がもっと幸せであるには、どんな選択があるのだろうかといつも妄想する。

インターネットやAIなどのテクノロジーと当たり前に共存している“Genaration Z”は、好きなことをそれぞれに追求することで(それを目的にして行動することで)地球にいのちとして気持ちよく存続できるのだろうか。

“Genaration Z”を伊藤はヒッピーに似ていると言う。
ヒッピーカルチャーには美学がある。
自然を感じ、尊敬し、美しさを讃える(芸術)。
原始的な生き方に憧れ、無駄な人為(生産、消費、破壊)を減らしたい。
野生を取り戻す、身体の勘を大事にする、種を超えて共生する道。

台風24号で二晩を停電で過ごし、学ばされたことは多かったが、その一つが「月の力」。
ろうそくの火で夜を過ごし、街灯や信号機の消えたこの世界では、月がいつもと違う存在に思えた。月のある夜とない夜では、どれほどに世界が違って見えるか。私たちは電気で麻痺している。LEDで過ごす夜は明るすぎて、月や星、闇、宇宙に鈍感になる。

私はこちらに住んで日常的に海に行くようになり、月が地球や私たちに持っている「力」を不思議に思うようになった。月へのスピリチュアリティの始まり。月との関係性について、科学的に捉えようとするのもそのうちの一つ。インターネットで月見表を検索することさえも。

これから科学は農業・工業的進歩ではなく、精神的な進歩を目指す手段になるということだろうか。
”アートとサイエンスの橋渡し”という考察も興味深い。
過去の農業・工業的進歩によって私たちは衛生的で食べ物に困らない暮らしを手に入れた。
物質的なゆがみを一つづつなめらかな関係性に変えるイノベーションと、それを現実に選択できるスピリチュアリティが、未来にはある、それが楽観的の意味だろうか。

#natureandtech.