nature and tech.

地球平和の前に家庭平和の前に自分平和

道法さん自然栽培剪定講座@寿梅園 2019112

www.dohostyle.com

道法さんは元JA関係の果樹の栽培指導員をされていて、当時いわゆる慣行栽培の指導を仕事でしつつ、私的に様々な野菜や果樹の栽培方法を実験する中で、肥料やホルモン剤を利用せず、植物を「縦に伸ばす」現在の農法に行き着いたそう。植物の栽培方法には(のみならず世の中のすべてに)様々な意見がある前提で道法スタイルについて、メモと感想を記しておく。(年末掃除を機に今更ですが)

基本的に「環境を変える」のではなく「植物の本質を引き出す」農法ということで、理念に賛同する。慣行栽培の指導員までして数々の実験をした結果の”技術の進歩”として道法農法があるらしい。

道法さんは話上手な調子の良いおじさんなのだが、私にはセーラームーンよろしく”月の使者”に思えたw というのも、植物は地球の遠心力、重力によって横に広がっていくが、月の引力で「縦にのびる」のが植物にとっては健康の鍵なんだと説いていたからだ。道法さんいわく「縦に伸ばすと植物は喜ぶ」んだそう。序盤から宇宙を感じさせる話で私はより一層興味を持った。

だからといって何もスピリチュアルな話ではなく、科学的な態度で植物を観察してきた経験からの話だ。基本的には、例えば梅なら①今年枝が伸びる②今年葉がつく③来年花が咲く④来年実がつく、の経過をテープを貼って観察していくとのこと。植物は芽が出て、根が出るという順番で育つ。よって道法農法ではトマトも脇芽を取らず、果樹でも剪定時に残した枝の先は原則残しておく。根は細根がより多く育つのが、健康の鍵だそうで、土壌に石は歓迎らしい。細根がホルモンをつくるとのこと。

「芽を残す」「細根を伸ばす」「縦に伸ばす」のがなぜよいのかは植物のホルモンに関係しているという。道法スタイルでは支柱に紐で縛りつけたり、ウレタンのホースで挟んだりして、植物を曲げずに、細長く縦に伸ばしていく。多くの実例を写真で見せてくれたが、見慣れぬ人には驚きの見た目ではある。

植物にとって水が1番、温度は2番目に大事だが(よってビニールは使う)風通しと日当たりは現状思い込まれているほどは重要でなく、縦に縛ることで葉や枝が重なり合うことを心配しなくてもいいらしい。(ただし同じ木の中で。違う木が触れ合うのは良くない)あらかたの植物は明るい曇りくらいの2~4万lxくらいの光量でよく、光合成より、呼吸が大事とのこと。



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当日は浜北の無農薬梅農家の寿梅園さんでの開催で、胸を貸していただいた気分。現地の樹齢30年を超える梅の大木の枝を受講生の前でチェーンソーでバンバン落としていく道法さん。借りたチェーンソーが切れないとその場で道具をつくり目立てを始めたところが私的にはツボだったw ともかく、剪定のセオリーは今まで見聞きしてきた方法と真逆と言ってよいくらい私には新しかった。

梅の木を縦に伸ばしたいというインスピレーションがあったので、今回の道法説は納得のいく内容だった。私の中に木が時間とともに「内から外へ」伸びては朽ちていくイメージが残った。木をいつも若々しい状態に保つのが剪定の意味だと言われれば納得である。

我が家の梅林には41本梅の木があるが、お義父さんが20年前ほどに植え、木の間隔が狭い。樹形も横方向の低めになっているが、2019年12月から実験的に道法スタイルも取り入れ剪定を行った。ここから新たな枝がつき、実がつくのに2年、違いを体感できるのはいつになるだろうか。

 

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11月のことだったが、個人的な体験としては前日にミニきゅうりのたねとりをして、自然栽培の美しさを実感したところだったこと、浜松までマニュアル車でひとりで行けたこと、こんなところで元IT企業勤務のパソコンスキルが活かされたことも嬉しかった日でしたw