nature and tech.

地球平和の前に家庭平和の前に自分平和

車に轢かれた獣はご馳走か、ゴミか。

ムスメさんの通園路にある日イタチが落ちていて、次の日はキジのオスが落ちていた!

正確には「ひかれていた」

 

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この辺りでは道でひかれた動物(ロードキル)にとにかくよく遭遇する。

 

わたしも今まではかわいそう!と思うものの車が過ぎるスピードに合わせて避けて通り過ぎるだけでした。避けられない状況では動物たちはアスファルトの上でぐちゃぐちゃにされてしまう。

 

ロードキルに遭遇した場合の積極的対処法、これを実践したのは最近の話。

(1)市役所の環境課に電話する

(2)自分で拾って土の上に移動してあげる

(3)獣によっては、状態が良ければ、持って帰って、食べる

 

2はまだしも、3とか現代人からしたらアブノーマルな域と思われるかもしれないけど、こちらに暮らすようになって街に住んでいたら考えもしなかったことを体験し、私なりの気づきがあるので、ここに書いておきます。

 

(1)市役所の環境課に電話する

市役所の環境課に電話して回収してもらいます。

場所を結構詳細に聞かれるので、それに応えられればOK

 

(2)自分で拾って土の上に移動してあげる

事の始まりは、ロードキルを見るとほっておけず、あまりに状態が悪くなければ、拾って土のあるところに移動してあげる、という友人の話。彼女はいつも車に軍手を積んでる。

 

こないだのイタチは私も初めてそれができた。通い慣れた交通量の多くない道、たまたま積んであったスコップ、まだ綺麗な状態だったからたまたま。でもこの体験は大きな違いになったと思う。

 

園までの往路でイタチを発見し、復路でイタチを移動、翌朝のムスメさんと現場を確認し手を合わせたのでした。

 

(3)獣によっては、状態が良ければ、持って帰って、食べる

そして翌日。2日連続でロードキルを見た私は、車を停めずにはいられず、近くで見ると、今度は本当に綺麗なオスのキジでした。野生のキジってだけで人生で見るのは2度目でした。

頭だけが潰れていて、でも不思議と出血はあまりなく、あまりの美しさにそのまま置いておくには勿体無いと感じ、つまり「食べられないかな」という興味が湧いてきたのでした。

 

鳥は過去に2度さばいたことがあるから、できそう、キジ肉って食べたことない、どんな感じなんだろう。と。

 

同時に私の中の3つの記憶が蘇りました。1つは『かぐや姫の物語』の捨て丸兄ちゃんがキジを仕留めて「今夜はキジ鍋だー」と喜ぶシーン。2つ目は写真家松本茂高さんが庭先に落ちていたスズメを食べたと言っていた話。3つ目は電力もなんでも自給して生きるテンダーさんがロードキルを「わーすげーご馳走だ~」と言ってさばいている衝撃の動画。(それぞれお時間あるときに是非見てほしい)

 

害獣として駆除される野生のイノシシの肉を親戚からよくいただいていることもあり、野生肉は、檻で飼われて、抗生剤を打たれて、遺伝子組換え飼料を食べている家畜肉を食べるよりは健康的で、ご馳走だと理性も言う。

 

さらには昨日のイタチを「おうちにもって帰って」というムスメさんの期待にも答え、生命の教育にも良い機会と感じ、直感的に車にキジを積んでいました。家に帰って旦那さんに見せるといろんな意味で驚かれましたが。

 

そしてさばくまでに一悶着あったのですが、かいつまんで言うと、現代的な生活の中ではわざわざ忙しい時間を割いてまでロードキルを拾ってさばいて食べるのは割に合わない、という判断ができるということ。村のこどもみんなが楽しみにする「ご馳走」ではなく、市の環境課が公共サービスとして回収する「ゴミ」。悪い意味ではなく、先進国民の「衛生意識」は当然ある。ゴミとして焼かれて、また元どおりの綺麗な道路、最悪のケースは車にミンチにされてアスファルトに擦り込まれるという悲劇。どちらにせよ、現代人が日常で「死」の現場をじっと見ることはほとんどない。ということも。

 

いただいたキジ肉は素晴らしく美味でした。

以下は引用

 

(キジ)は、日本固有の種で、日本の国鳥となっています。
日本では古来、キジは最も珍重された鳥肉で、鷹狩りの獲物として貴族に愛好され、平安貴族のあいだでは鳥料理といえばキジを指していたといいます。
雉は、古事記日本書紀に「キキジ」の名で記載があるほか、
昔話「桃太郎」にも登場し、日本人にとってはなじみの深い鳥。
雄は姿が優美で羽も美しく、雌は「焼け野の雉」と言われるように、
山火事の火が巣に迫っても巣から去らずに卵や雛を守ることから、
母性愛の象徴とされてきました。
宮中では中世以前から、新年に「雉酒」を飲む習慣があり、
現在でも宮中の新年祝賀会で「おきじさま」という呼び名で飲まれているそうです。
日本人はキジ肉のおいしさを知っていたのです
「雉も鳴かずば射たれまい」
無用の発言をしたばかりに、自ら災害を招くことのたとえですが、雉は昔から、狩猟の対象にもなっている鳥でした。よく言われる「鷹狩り」では、最上の獲物は鶴。次は雉でした。
「キジを食べれば3年の古傷も出る(膿む)」
キジ肉を食べると精がつくことを例えたもの。動物性タンパクに乏しい昔、冬に栄養価やカロリーが高い肉がキジ肉でした。今では他にも色々な食べ物があるので、意味が薄れてしまいましたが。そして、お隣の国韓国でも!韓国のことわざ。「キジの代わりに鶏」最も望ましい物(キジ) がないならよく似たもの(鶏)で代用するるという意味

その昔、お祭りになると、
あっちこっちの家の「おばあちゃん」が作ってくれた集落の伝統の味。
キジでだしをとるキジそば。
「昔は、今のように牛や豚なんてめったに食べられなんだもんで、
ヤマドリ(キジなど)の入ったそばは、ごちそうだったに」
今では、風味が強いキジの処理法を知っている人は少なくなっています。
宮中のお正月行事「晴れの膳」のお祝い酒として振舞われるしきたりがあります。 
雉は勝利の象徴でもあり、めでたい時期にぴったりのお酒。
スズキヤでも、縁起を担いで、新年のお屠蘇はおきじさまです。
きじの肉をこんがり焼き、コップに入れ、熱燗(日本酒250cc程度)を注いで待つこと5分。
酒が飲みごろの熱さになり、きじの旨みがしみだしてコクのあるうまい酒ができあがり。