火にあたること
火は人類の原点だと思う
火があれば暖かい。
暖かいものを食べられる、いろいろなものが美味しくなる。
寒い日の湯は恵み。沸騰させれば殺菌もできる。
火には神が宿ると考えるのは自然なこと。
火の動きを見ているだけでもその神秘に心が奪われる。
火は人間の精神、文明の原点。
安定した火にありつくにはそれなりの労力が要る。
しかるべき大きさ、適切な乾いた焚き付け、大小の薪を用意する。
しかるべき順序とタイミングでそれらに火をつけ、大きく育てていく。
消えないように、大事に大事に。
場合によっては火をずっと絶やさぬように。
私も火を石や木などの自然素材でつけるやり方をまだ知らない。
これは10年以内に子どもと一緒に学びたいことのひとつ。
現代では火はコンロをひねれば、ライターをこすれば出てくるものになった。
以前TV番組で、アフリカの原始的な暮らしをする家族が、日本にホームステイをした時、IHをみて「どうして火がないのに料理ができているの?!」と驚いていたのを思い出す。
現代日本では暖をとるのに火をつかう人も少なくなった。大きなエネルギーシステムから電気や灯油を買い、暖をとる。
火にあたれば、暖かさが違う。気持ちよさが違う。
身体の記憶はそれを喜び、生理的に、太古から続いてきた火と人類の関係について私たちに知らせる。