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nature and tech.

地球平和の前に家庭平和

”海と陸のはざま”と映画『ダムネーション』

犬の散歩でよく海岸を歩く。この地に住もう!と思えたのは勿論夫との出会いなのだが、この景色が圧巻だったからとも言える。

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海岸は常に変化するもので、1日の中でも潮の満ち引きで海の膨らみも違えば、運ばれてくるのも石が多い日もあれば、ゴミばかりの日もある。波の様子は瞬間ごとに違うし、日によっても違うし、季節でも違う。

そのおかげで砂浜と山の間、いわば”海と陸のはざま”の地形が毎日変わる。昨日は滑らかだった砂山が、今日は急に断崖絶壁になっていたりする。

https://www.instagram.com/p/BRiN5KeltZm/

たいていそういう場合は中に埋れていたコンクリートテトラポッドR)が顔を出す。※テトラポッドって商品名なんだって、一般名詞としては「消波ブロック」というらしい。

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うちの浜の入口部分の、そのいわゆる海と陸の間が、今年大工事が行われコンクリートで固められた。景観としては寂しいが、あのままでは陸の部分が後退するばかりで利便性が悪いし、砂浜や山は保安林と呼ばれる通り防災資源でもあるからして災害リスクにもなる。海に降りる道はコンクリート舗装だから、帳尻を合わせるためにも合理的な工なのだろう。切り立つ崖の麓にもコンクリートがしてあり「治山」と書かれたプレートが打ってあるわけだし。

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利便性への”帳尻合わせ”

 人間がテクノロジーを手にしてから、地球でやっている活動はまさに利便性を得たことに対する帳尻合わせだと思う。

暮らしが楽になったなぁ、ということはどこかで必ず帳尻合わせが起こっていることだ、と私たちは意識しなくてはならない。だから構造を知るために学ぶ必要がある。

 

ダムが出来たことにより、私たちはいつでも水を得ることが出来るようになった。しかし、海へ流れ着く土砂がダムによって減少し、海岸線は後退の一途だ。その結果がうちの浜の工事と、大量の消波ブロック。私は、自分が水道を使う限り、これについての世界の構造を学ぶ責任があると思う。もちろん、それによって人間以外の種が受けた影響についても。海でのその象徴はやはりウミガメだろう。

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愛知県の資料より『遠州灘沿岸の汀線変化図https://www.pref.aichi.jp/kasen/kaigan/kaigan_keikaku/ensyuunada/contents/pdf/k1.pdf

資料をみると遠州灘で海岸の侵食は全体的に進行しており、特に天竜川河口は激しいことがわかる。また海底部分にも様々な工夫がなされていることについても知った。

 

映画『ダムネーション』

先日見たドキュメンタリー映画ダムネーション』はそのことを描いていた。川を分断するダムを、海へ出て川を遡上することで生命を繋ぐサケを生態系の象徴として。

帳尻合わせのために行なっているサケの養殖も無駄が多い。サケを雑に扱う人工授精の現場など、とにかく人間都合でしか考えない多種の生物との愛のない関係は嫌だ。

『ダムネーション』は「人間の無駄な帳尻合わせを見直し、歯止めをかけることが出来た成功例」を示している。いわば「失敗の成功事例」。

テクノロジーと、一部の権力者の意思決定とそれに扇動された人々によって、やり過ぎてしまったダムと周辺の経済を壊すのだ。

ダムを作るのにも、一度できてしまったダムを壊すのにも、膨大なお金(税金)が要るし、政治の判断が要る。

それには「あれは無駄だったというコンセンサス」を市民が持つこと、喫緊に取り組むべき政治的イッシューとなるほどに市民に”熱い”議論をさせる仕掛けも必要だ。

その仕掛けの一つが(逮捕を覚悟で)一夜にして巨大なダムに絵を描くこと。自然との共生についてもっと考えないか?ダムに描かれた絵のセンスの良さが、時代として、問題意識を呼び起こしたと感じた。

 

 

合わせて見て欲しい、日本のドキュメンタリーで、もっと生活のレベルでダムを知った『水になった村』も忘れられない。漬物の匂いがしてくる映画でした。

わたし個人としては映画ではあまり触れられていなかった地理や生態系についてももっと知りたいので、今後豊橋の自然史博物館のジオツアーへの参加等して、学びを深めたいです。

 

 

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